艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「各自、来週まで最低10個、企画を考えろ」
重苦しい雰囲気の会議室を、さらに重苦しくするような駒宮室長の指示が飛ぶ。
「……そっ、そんなぁ…」
声の主は、というと私ではなくて、隣に座っていた萩原さん。
萩原さんの口からとっさに出てしまった嘆きを、駒宮室長はじろりと睨む。
よかった。萩原さんが嘆かなければ、きっと私の方が先に嘆いていて、駒宮室長に睨まれていたのは私だったと思う。
駒宮室長に睨まれた萩原さんは思わず肩を竦めて小さくなる。
「まどかちゃん、出来そう?」
こっそり尋ねられたから、フルフルと頭を小さく横に振る。
「俺も……」
萩原さんはそう言って、小さく苦笑いを浮かべた。