艶恋オフィス　クールな室長に求愛されてます
いつものスーツ姿ではない私服姿の駒宮室長。

濃いブルーのデニムシャツにグレーのテーラーズジャケット。
それから細身の黒のズボンにスニーカーという綺麗めカジュアル。

髪型だっていつもの整えられたツーブロックは、今日はいつもとふんわりとボリュームのある七三分けで雰囲気が違って見える。

こちらに歩いてくる姿に、時折振り返る通りすがりの女子多数。

顔ちっちゃいし、足長いし、どこかのモデルみたいだ。

って、私だって駒宮室長に見惚れているじゃない。

無意識に胸の鼓動が速まるのを、一度静かに呼吸をして落ち着かせる。



「すまない、遅れた」

少し息を切らしている駒宮室長を見上げる。

なんだか私の知っている室長じゃないみたいだ。

いつもの見慣れたスーツ姿ではない駒宮室長と、それからいつもよりカジュアルな滑降した私が並ぶ。

これじゃあ、まるでデートみたいだ。


そう思ったら、落ち着かせたはずの鼓動がうるさい位に音を立て始める。

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