艶恋オフィス クールな室長に求愛されてます
「佐々田がこのショップをもっとよくするためには、どうする?」

「せっかくクリスマスのイベントを意識しているので、雑貨コーナーにはキッチン雑貨とか、エプロンなども充実させたいですね。ここの客層はOLはもちろん、主婦層も多いので。」

店員としてではない視点だからこそ、思ったポイントを喋る私を駒宮室長は静かに聞いてくれる。

「そっか、悪くないな」
私が喋り終えると、ぽつりと一言感想をくれる。

悪くはない。

これまでの1か月近く、褒められた記憶は皆無に等しくて、これは褒められたのかもしれないと思うと自然と頬が綻んでしまう。

なにより今日の駒宮室長は、言葉数は少ないし、いつもと同じように不愛想な顔をしているけれど、口調はいつもよりずっと柔らかい。
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