五月雨・弐
「ふぅ……。」
“キュッ。”
“ピチョン、ピチョン。”
雫が落ちる音。
思ったより響く水の音。
雨みたいに降るシャワーの水。
見ていて、嫌な気分にはならない。
むしろ良い気分。
分かるだろうか、この気持ち。
優しい、包んでくれる水の音。
寂しいけれど、理解してくれているようで
ただ、単純に好きだ。
「……何時?」
自動湯沸かし器のデジタル時計。
現在六時五十分。
まだまだ全然余裕。
朝シャン、前は抵抗あったけど慣れた。
大人になったのか
面倒臭がりになったのか
よくわかんないや。
“キュコッ!!”
ドアを開ける。
ほんのりと立っている湯気が綺麗。
「圭吾、早起きしてるんだよね……。」
今思ったけど、気、使わせてるな。
「明日は逆にしてみよっかな。」
そうだよ、そうしよう。