五月雨・弐






「ははは、知ってるっつ~の。」
「うわ、何それ~。」
「うっせ~!!」

他愛のないその会話が幸せだった。
自転車のサドルに、君が座り
後ろの荷台に私が座る。

ちょっと段差があると尾骶骨が痛い。
最初はちょっと苦戦した。
痛いって文句言って喧嘩した。

でもね、君が段差を避けてくれるようになって、君の優しさをまた感じたんだよ。
君が本当にすきだって実感。
そんな事、久しぶりだった。

あえて、初めてとは言わない。
だってそれは必要な恋だったと思うから。
だからね、無理に初恋は決めない。

私、少しだけ成長してるかな?

「ねえ、圭吾。」
「ん?」

だから、君を抱き締めてこう言うの。

「圭吾、結婚してね~。」
「アホか!!」

そんな事、言われても良いよ。
だって、恋は一瞬だって分かってる。
でもね、君の反応が見たかったんだ。

だって、本当に大好きだから。








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