五月雨・弐
「圭吾。」
「お、来た来た。」
「また彼女と下校~?」
そう、カーディガンの似合う彼と
ずっと繋がる道を見ている。
「うっせ、わめくな彼女なし。」
「ひで~。」
こうしてからかわれる事もある。
でも、それさえ愛おしい。
そう思えるようになった。
「じゃあ、後ろ乗るか?」
「うん。」
“ギシッ。”
紅葉の葉が秋の風に飛ばされる。
綺麗な紅が道を飾る。
何て良い夕焼けだろう。
そして、愛しい人。
「お前等、自転車は二人乗り禁止!!」
先生の叫び声。
「次から気をつけます!!」
圭吾のからかい。
「こら!!」
何て良い季節だろう。
そして、新しい波乱が始まっていく。
そう、新しい波乱が。