五月雨・弐








“カサカサ……。”

次々と問題用紙、解答用紙が配られていく。緊張はないけどやっぱり怖いもので……。
駄目だ、何も考えるな!!

「では、30秒後に始めます。」
「…………。」

皆が黙って俯いている。
何だかいや汗が出そうな雰囲気。

「ヘックシュン!!」
「??!」

圭吾の大きいくしゃみが響く。
いつも小さいくしゃみなのに、何で?
あ、あと5秒。

「じゃあ、始めてください。」

“パラパラパラ……。”

Ⅰの問題
細胞のキモイ図が並んでる。
嫌だいやだ。
でも、ちょっと得意な自分。

「…………。」

“カリカリカリカリ……。”

Ⅰ、Ⅳ、Ⅱ、Ⅴ、Ⅲと得意な順に解く。
別に悩むような所はなかった。
よかった、一応安心だな……。

時計を見てみる。
残り20分程余っている。
見直ししても10分、残り10分。
まあ良いや、後のことは考えない。

そう思って色々していたら、何時の間にかテスト終了時間になっていた。

「一番後ろの人が解答用紙、二番目の人が問題用紙を回収して前に持ってきてください。」

いっせいに皆が立ち上がって伸びをする。
首凝った~。
ふと圭吾を見たら今起きたみたいで、ごしごし眼を擦っている。
まったく、さっき凄いくしゃみしてたくせに呑気だなぁ……。何だか可愛い。

「どうだった~?」
「まあまあ、85ぐらい?」
「マジかよッ。」

あとニ時間かぁ。
長いな、ただ座ってるのって嫌い。

まあ、いっか。
一週間の我慢だもんね?







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