五月雨・弐
何だか嬉しくて笑ってしまう。
今まで悩んでいたのがアホらしいほど。
スキップまでじゃないけど足が軽い。
良かった、気付けて。
圭吾に話したい。
話さなきゃいけない!
“タッタッタッ……。”
廊下が少し長く感じたのは何でだろう?
気持ちの高揚で遠回りしてたの?
でも、良いんだ。
今は幸せを感じるから。
“ガチャッ。”
「圭吾~?」
やっぱり人気のない図書室。
圭吾は、まだ来ていないみたい。
「何だ……。」
日の当たる机。
陽だまりに頬を付けてみる。
温かい、優しい温度。
ゆっくりと眼を瞑った。
“キーンコーンカーンコーン……。”