五月雨・弐








「…………。」

“ガバッ!”

暗くなった外の様子に驚く。
やばい、今何時……!?

「あ、六時か……。」

ホッと胸を撫で下ろす。
まだ学校は閉まってない。
図書室から見える体育館に卓球部もいた。

今のうちに帰らなきゃ、気まずいよね?

「……帰ろ。」

圭吾は、結局来てくれなかったのかな。
何だか、寂しい。
一人で帰るなんて久しぶりすぎて。

“ガタッ……。”

「たっ……。」
「へ??」

人の声。
それも、近い。

鼓動は早まるばかりだった。
どうして、何、誰!?
恐る恐る辺りを見回してみる。

「…………。」

“ガタッ。”

「わっ……。」

慌ててふらつき、転びそうになる。
そんな時に腰に手が触れる。

「重てー。」
「はっ!?」
「ずっと寝てたな、俺ら。」

眼が慣れてきて、眼が見えてくる。
ボヤッとして見えた青。
街頭の光がワイシャツに反射していた。








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