五月雨・弐




「なあ、今日はどうする?」
「うん、特に何も。」
「そっかぁ。毎日だとそうなるよな~。」

圭吾が前を向いたまま頭を撫でる。
優しい香り。
心地よい香りに眼を瞑る。

「お前の所為で事故るかもな。」
「え、何で!?」
「いっつも俺が見るからだよ!」
「うわ、恥ずい~。」

抱き締める。
愛しい人を抱き締める。
やっと手に入れた。
やっと安定した。
優しい時……。

「ははは。」



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