五月雨・弐
「何?先生と何話してたの?」
「暗い感じだったじゃん。」
興味津々に聞いてくる友香たち。
ニヤニヤした顔は勘違いしている。
何だかムカついた。
どうしても、許せなかった。
だって、私の家の事、知らないのに。
どうして勝手に解釈するの?
どうして勝手に面白がるの?
やめて、やめてよ!!
「…………で。」
「ん?」
「何?」
ギュッと拳を作って前を見た。
涙が出そうなのを見られた。
でも、どうでもよくなってた。
ただ、許せないままに
私は彼女達を睨んでいた。
「ど、どうしたの……?」
「興味本位で聞いてんじゃねーよ!!」
涙が出て、
止まらなくて。
彼女達の驚く顔さえ、眼中になくて。
ただ泣いていた。
そして走り出していた。
怖い、怖い。
もう、何もかもが嫌になってしまった。