五月雨・弐












「……白血、病?」

お母さんが泣きながら
お父さんにすがりつく。
私の心臓は止まりそうだった。

隔離されて
マスクまでされて
汚れ物?
それとも真っ白なバラ?
よく分からない扱いをされて
私は我慢ならなくなっていた。

「お見舞いの人が来てるが、どうする」
「……誰」
「クラスの子としか、分からん」

私は唇をかんでから
ゆっくりと頷いてみせる。

「お願いします」











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