五月雨・弐











「来ないな、あいつ」
「……誰が?」

私は強がってとぼけてみせる。
だって、みじめすぎるから。

「何言ってんだよ」
「良いの、もう。知らない!」

窓のほうを見るのが癖になった。
独りが怖くて、夜寝れない。
誰にも近寄れない毎日。
触れるのは、先生だけ。

「私だって、辛いよ……」
「…………」











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