五月雨・弐









「高橋……」
「?」
「あたしのこと、好きなんでしょ?」
「……おう」

唇を噛み締めた。
かぶっているニット帽をとる。

高橋は少し驚いた顔をしながら
それでも私を見てくれている。
聞いた自分自身も震えていた。

「こんなあたしなのに、そう言えるかな?」

だめ。
あたし、どんどん人を離してる。
馬鹿。
あたし、一人になっちゃう。











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