五月雨・弐













「嘘吐き、前から嫌いだったでしょ」
「え?」
「病気持ちの女子なんて、キモイでしょ」
「何でだよ」
「病んでるし、あたし」

笑って見せた瞬間
渇いた音が病室にこだましていた。

高橋に、叩かれた。
叩かれた部分がぼやけたようで
私は思わず涙を流していた。















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