スイートメモリーズ
……あれ?
絶対グーを出すと思ってた陽ちゃんの手は、なぜか開かれてて
「あー!宮田くん、惜しい!あいこだねぇ」
「ほんとだ!めずらしいね?みさがパー出すなんて」
え?ちょっと待って?もしかして…
2人とも私がいつもチョキ出すの知ってた?
気づかれてないと思ってたのに、それはとっくに見抜かれてたみたいで
そういえば、ジュースを買いに行く時はいつも私だったと思い出した。
「てわけで、一緒に買いに行ってきまーす」
手をひらひらさせながら、私の手を掴んだ陽ちゃんが、色めき立つ友達を尻目に私をグイッと引っ張ってそのまま廊下まで連れ出してくれる。
呆然とする私の手を握ったまま、自動販売機までくると、陽ちゃんはようやく手を離した。