シン・ゴジラ女子
翌日の昼、わたしはひとりで映画館のロビーをうろついていた。
「・・・・・・・・・・・・っ!」
兵藤先輩、彼女を連れてきてた。髪を染めた、ギャルっぽいひと。
なんでも同じ小学校に通ってた同級生で、去年から付き合いはじめたんだって。
どうやらわたしは、ただただ「かわいい後輩」として今日誘われたんだと・・・・・・、やっと気づいた。
昨晩あれだけテンションをあげていた自分が、恥ずかしくて・・・情けなくて・・・映画が始まっても、顔をあげることができずにいた。おかげで「君の名は」のストーリーが頭に入ってこなかった。
で、見てしまった。
隣の席に座る兵藤先輩とその彼女が、手をつなぐ瞬間を、
わたしはカッとなって思わず立ち上がり、彼女に向かって、
「死ねっ!ブスっ!」
と叫んでいた。
他の観客の視線が、いっせいにわたしに突き刺さる。
わたしはあわてて、劇場から逃げ出した。
やだ、もう、最悪。