シン・ゴジラ女子
いや、それはゴジラの立て看板だった。ギザギザの牙をむき出しにして、感情の無い目つきで下を見下ろす、黒い怪物。
いつの間にかわたしは、「シン・ゴジラ」の公開シアター前に来ていた。入り口には、結構な数の観客が列を作っている。
「へえ、ほんとに人気あるんだ。この映画・・・」
そうだ。
ゴジラを見よう。
わたしは思った。
怪獣映画ってあれでしょ?とにかくでっかい怪獣が街をいっぱいぶっ壊す映画なんでしょ?
これを見れば、わたしの今のむしゃくしゃした気持ちも、少しはすっきりするかもしれない。
わたしはチケットを買って、観客の列に並んだ。