夕日の中の思いを君に伝えたくて
家を出て私はコンビニでおにぎりとコーラを買ってある場所へ向かう。

「これ、貰って食べれないからあげる」

「いつもありがとうね…若いのにこんな私にまで優しくしてくれてありがとう」

私が食べ物をあげたのは裏路地にいるホームレスのおじいさん。この人は昔戦争に行ったらしい。
けど日本は負け、家族を失い、職を失ったこのおじいさんはずっとここでホームレス生活をしていたらしい。決して盗みをせず、自分の手で頑張って人にお願いをしてお金をもらう、お金をもらえない日だってあるおじいさんに私は最近毎日食べ物を渡す。
そのかわりに

「おじいさん、今日も戦争の話…聞かせてよ」

「ああ、あの日は…」

毎日おじいさんから聞く戦争の話。残酷ではあるけどおじいさんの頑張りなどが聞けたりして面白くもある。

「あれ?じいさんと女がいんじゃん。どうしたのー?お金あげるから一緒にどっか行こうよ」

路地裏だからこういう奴もよく来る

「おじいさん、今日は誰にも殴られなかった?」

「ああ、君が毎日守ってくれてるから今はとても幸せだ」

こんなことで幸せと思えるおじいさんは本当にいい人だ

「おい、何俺ら無視して話してんの?聞いてんのかよ、お前ら俺がどこの族が知ってんのか?」

この男達は…うるさいという意味を込めて、思いっきり睨む

「おい、待て!こいつはやめとこう。赤猫だ…」
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