番犬男子





「それじゃあ、俺たちがお前をここに連れて来た理由も、わかってんのか……?」


「もちろん」



今度は、驚かれなかった。


あたしの天才さをわかってもらえたのだろう。




「あたしのことを怪しんでるんですよね?」



ご名答と返すように、双雷のメンバーの表情が硬くなり、露骨に警戒される。




やっぱりね。



あたしが本当にお兄ちゃんの妹か疑わしいから、白黒はっきりさせようとしてるんだ。


あえてお兄ちゃんを外した、ここで。



お兄ちゃんがいたらお兄ちゃんに夢中になって、しつこくアピールしてただろうから、お兄ちゃんがいないほうが話はスムーズに進むだろう。




「そんなに怪しむなら、調べれば?」


「調べたに決まってんだろ!」



遊馬が食い気味に言い返した。



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