番犬男子
それって、もうあたしのことを拒まないってこと?
本当の本当に、信じてくれるの?
「お兄ちゃん、大好きっ!!」
いてもたってもいられず、お兄ちゃんを抱きしめる力をめいっぱい強めた。
苦しいからやめろ!って怒られても、抱きしめ続けた。
これは、紛れもない、現実。
この幸せを、わかち合いたい。
好き。
大好き。
この愛まるごと、お兄ちゃんに贈りつけたいくらい。
「お兄ちゃん」
「ん?」
「お兄ちゃんっ」
「んだよ」
「お兄ちゃん!」
「…………」
3回目はついに無視された。
呼んだだけじゃないよ?
もちろん、かまってほしいってだけでもない。