番犬男子




顔を向けると、職員室前に西篠先生と、白薔薇学園の制服を着た雪乃がいた。



な、なんでここに雪乃がいるの?


雪乃もこの学校の生徒だったの?




「運ぶの手伝ってくれてありがとう」


「いえ、当然のことをしたまでです」



どうやら、雪乃は、西篠先生の荷物を職員室まで運んであげたらしい。


西篠先生は雪乃の好青年な態度に、ふふっと柔らかく微笑んだ。




「いつも思うけど、宝塚くんは本当にすごいわね。成績は常に上位をキープしているし、性格もいいし」


「そんな、買いかぶりすぎですよ先生」


「宝塚くんこそ、そんな謙遜しないで?学年問わず生徒がみんな、あなたを生徒会長に推薦していたことが、あなたの人柄を表してるじゃない。結局あなたは辞退してしまったけれど」




へぇ~。

雪乃が生徒会長になってたかもしれなかったんだ。



現に、職員室の近くにいた生徒は、男女関係なく、雪乃を羨望と尊敬の眼差しで眺めていた。



雪乃を推薦する気持ちはよくわかる。


紳士な雪乃なら、いい学校にしてくれそうだもんね。



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