番犬男子






「魁皇が対応しても、言うことを聞かずに計画を続行したら、どうするんですか?」


「そん時は、さっき雪乃が言ってたようにする」


「それって、直接片付けるってことですか?」


「ああ。もう二度と俺らにケンカを売ろうとは思えなくなるくらい、容赦なくな」




たった今、お兄ちゃんの……総長の決断が下された。



わかりました、と幸汰はうっすら口角を上げる。


他のみんなも、どことなく禍々しい殺気を放っている。




「新しい情報が手に入ったらすぐに報告しろ」



お兄ちゃんの命令に、みんなの迫力ある返事が返ってくる。



強盗犯たちの動向を把握しておくのは、必要不可欠。


情報は時に武器となる。


嘘でも小さなことでも、無知よりは知っておいたほうがいい。





お兄ちゃんの敵は、あたしの敵。


お兄ちゃんを傷つけたら、許さない。






「これにて報告会は終わり。解散!」




< 271 / 613 >

この作品をシェア

pagetop