番犬男子
「魁皇が対応しても、言うことを聞かずに計画を続行したら、どうするんですか?」
「そん時は、さっき雪乃が言ってたようにする」
「それって、直接片付けるってことですか?」
「ああ。もう二度と俺らにケンカを売ろうとは思えなくなるくらい、容赦なくな」
たった今、お兄ちゃんの……総長の決断が下された。
わかりました、と幸汰はうっすら口角を上げる。
他のみんなも、どことなく禍々しい殺気を放っている。
「新しい情報が手に入ったらすぐに報告しろ」
お兄ちゃんの命令に、みんなの迫力ある返事が返ってくる。
強盗犯たちの動向を把握しておくのは、必要不可欠。
情報は時に武器となる。
嘘でも小さなことでも、無知よりは知っておいたほうがいい。
お兄ちゃんの敵は、あたしの敵。
お兄ちゃんを傷つけたら、許さない。
「これにて報告会は終わり。解散!」