番犬男子
稜は大抵こんな感じ。
めんどくさそうにして、ダルそうにして。
興味のないことにはとことん無関心を貫いて、ゲームや音楽で暇を潰してる。
口数は日によって多かったり、少なかったり。
そんな、掴みどころのない人。
今だって、あたしが稜をガン見してるのに、稜は全然気にしておらず、ズンズン先へ歩いていく。
あたしに関心は1ミリたりともないらしい。
すると、稜が細い路地に入っていった。
「えっ、どこ行くの?」
たまり場に行くなら、この道を真っ直ぐ進んで、分岐点に差しかかっても真ん中の道を進んでいくのが、あたし調べの最短ルート。
今日、稜はたまり場に行かないの?
「こっちのが近道」
ポツリ、稜は呟いた。