番犬男子





「ねぇ、遊馬」


「ん?」


「ソレに込められた意味、知ってる?」



ピアスに付いた宝石を指差す。



「意味……?」


「そう、意味」



繰り返すと、遊馬は「知らねぇ」と首を横に振った。


じゃあ教えてあげる。



「その宝石はね、ルビーっていうの。ルビーに込められた宝石言葉は、勇気、慈しみ、それから……」



区切って、遊馬を真っ直ぐ見つめる。



それから、

「愛」




薄い黒の瞳が、潤んだ。



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