番犬男子






夕闇が控える。


そういえば、あたしたち……。



「ああっ!!」



そうだ!

こんなところでのんびりしてる場合じゃない!



突如大声を上げたあたしに、遊馬は耳を塞いで訝しそうにあたしを見る。



「どうしたんだよ」


「どうしたもこうしたもないよ!尾行ゲーム!お兄ちゃん!どこ!!」



カタコトになってしまったくらい、慌てているのです。


ツボるな、遊馬。



忘れてたわけじゃないよ?


ただカラス殺しの件があって、考えないようにしてた。




「遊馬!お兄ちゃんたちが今どこら辺にいるかわかる!?」


「うーん、2人がパトロールする範囲はわかるんだけどなー」


「けど、何!?」



あたしは遊馬にズンズン近づいて、鬼気迫る。



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