番犬男子
□ 変化
ある休日。
天気は良くも悪くもない、曇り。
灰色の厚い雲が秋空を隠してる今日も今日とて、あたしは午前中から双雷のたまり場にお邪魔している。
午前はパトロールをしないため、幹部室には幹部以上5人全員+あたしがいる。
「チカちゃん、ご機嫌ね」
「えへへ、わかるー?」
あたしは幹部室の白いソファーに座って、足をぶらぶらさせながら、口元をだらしなくほころばせる。
あたしの横では、雪乃があたしの右サイドの髪を器用に編み込んでいる。
暇つぶしに髪をいじりたい、って言われてOKしたんだ。
「何かいいことでもあったのかしら」
「そうなのっ」
嬉々とした視線を、赤いソファーに座っているお兄ちゃんに向けた。