番犬男子
□ 会いたい人
午後3時半前。
想定外のトラブルに巻き込まれたけど、なんとか無事におばあちゃんの家にたどり着いた。
家の前で、深呼吸をする。
ここに、“彼”がいる。
やっと、会える。
ちょっとの緊張と、興奮と、それから……。
それから、
泣きそうなくらいの愛おしさ。
抑えられないドキドキを落ち着かせることができないまま、インターホンを鳴らした。
中から「はーい」と声がして、玄関の扉が開かれる。
「おやまあ、千果ちゃんじゃないか」
「久し振り、おばあちゃん!」
あたしを出迎えてくれたおばあちゃんに、ギュッと勢いよく抱きついた。