番犬男子
えっ!?
なぜに赤面!?
「あ、ありがと……」
「ちょっ、なんで赤くなるの!?」
やめてよ。
ただ褒めただけなのに照れるなんて。
あたしにまで伝染しちゃうじゃんか。
耳に熱がこもっていくのが伝わる。
心拍数が徐々に上がっていく。
「こ、ここ、幸汰!は、話の続きは!?」
「へ?」
「これで終わりじゃないんでしょ!?」
あたしはむずがゆい空気に耐え切れなくて、勢いあまって逆ギレまがいな声を荒げてしまった。
ここまでは、幸汰がお兄ちゃんに付き従っている理由であって、まだ幸汰が「番犬」と呼ばれるようになった経緯ではない。
せっかくだから、教えてほしい。
幸汰のことを。