番犬男子
最後の一杯を飲んだら、幸汰に拍手された。
早飲み選手権があったら、間違いなくあたしが優勝だな。
急須と湯飲みを洗い、飲みすぎの体を休めた後。
「幸汰、幹部室に戻るよ」
「あ、う、うん」
幸汰は、あたしの獲物を狙ってるようなぎらついた眼に圧倒されつつ、早足のあたしと共に幹部室へ移動した。
急ぐ理由は、ひとつ。
バーン!、と派手に幹部室の扉を開けた。
幹部室内でまったりくつろいでいたお兄ちゃんと雪乃と遊馬と稜が一斉にこちらに振り返った。
「お兄ちゃん、出かけよう!!」
「は?」
そう、お兄ちゃんと兄妹仲良しデートをするため。