番犬男子
“彼”が夜遅くまで家に帰ってこないなら、今“彼”がいそうな場所はひとつしか考えらない。
総長を務める、双雷のたまり場。
きっと、そこに、“彼”はいる。
この街の西側。
繁華街を抜けた街外れにある、洋館。
そこが、双雷のたまり場だ。
一応事前に、双雷に関して調べといてよかった。
けれど、わかったのはその程度だ。
当たり障り無い情報しか載っていなかった。
詳しく調べようとしても、洋館の正確な場所や双雷のメンバー構成は、引っかからなかったのだ。
さすが、双雷最強説が噂されてるだけあって、大事な情報はしっかり厳重ロックされてるらしい。
このあたしが、ハッキングでもしてやろうかと、本気を出しかけたほどだ。
“彼”に敵視されるかもと思って、やらなかったけど。