番犬男子
華やかに栄えた繁華街を通り抜けた。
心なしか、急激に人気が少なくなっていく。
ここら辺にたまり場があるから、みんな近づかないのかな。
3つの道に分かれてる分岐点で、足を止めた。
……問題は、ここからだ。
どの道を行くのが正解?
右か、左か、真ん中か。
右の道には、ポツポツと住宅が建っている。
対照的に、左の道は一段と人がいる気配はなく、退廃したビルが並んでいて薄気味悪い。
真ん中はの道は、右と左に比べると、割と普通だ。
どちらかといえば、左の道寄りの雰囲気が漂っている。
初めは、不良が好き好んで選びそうな左の道にしようと思ったが、あからさまに暗すぎじゃないか?
しかし、一般人が住んでいる右の道に、たまり場を設けているとも考えにくい。
そうなると、逆に真ん中の道が怪しいな。
「よし、決めた」
あたしは自分の考えを信じて、真ん中の道を進んでいった。