番犬男子
あたしは制服のまま、居間でおばあちゃんとお喋りした。
昨日久々にあたしとおばあちゃんで、アメリカにいるお母さんとお父さんと電話したことや、
お兄ちゃんにも電話に誘いたかったけれど、お母さんとお父さんはまだ不安そうだからやめたことや、
年末を過ぎたら、おばあちゃんの料理を食べられなくなるのが寂しいことなど……。
走った疲れを取り、一息つく短い時間だが、おばあちゃんと和やかに談話した。
「留学が終わっても、また遊びに来ておくれよ」
「うん、もちろん!」
満面の笑顔で頷き、会話が一区切りついたところで、あたしは一言言って自分の部屋へ行った。
双雷のたまり場に遊びに行く準備をする。
制服を脱いで、私服に着替えた。
今日は、白のプリントスウェットに、グレンチェックのショートパンツで、カジュアルなコーデにしてみた。
リュックに必要な物を詰めて、準備は完了。
あたしはリュックを背負い、自分の部屋から玄関に移動した。
「おばあちゃん、行ってきます!」
「いってらっしゃい」
スニーカーを履いて、生き生きと家を飛び出した。