番犬男子
「いいね、いいね!ほら、もっと来いよ!」
遊馬の弾んだ声が、濁った音を連れて響く。
今度こそ遊馬のほうを一瞥すると、遊馬がテンション高めにケンカしていた。
対照的に遊馬と対峙してる不良3人は、すでにケンカ好きの遊馬についていけずに疲れている。
「んだよ、来ねぇのかよ。じゃあ、俺から行くわ!」
「え!?」
「俺もう無理……」
「体力底なしかよ」
ここまで敵がうんざりしてるなんて、どんだけ今まで熱く闘ってたの?
しかも、遊馬はまだまだやる気で満ちている。
敵に同情しちゃうなあ……って、あれ?
不良3人が顔を見合わせて、表情をあくどく染めていた。
たった今、疲労感だだ漏れそうにしてたはずなのに。
怪しすぎる。