番犬男子
あたしは方向転換して、来た道を順々にたどっていった。
もし、今までの道が当たってたら当たってたで、また来ればいいんだし。
双雷のたまり場についての地元の人の声を、もっと知っておいて損はないだろうしね。
あっという間に、最初の分岐点まで戻ってきた。
真ん中の道を出て、繁華街に向かおうとする。
その時だった。
「あー!!」
右の道から、聞き覚えのある声が耳をつんざいたのは。
この声って……。
声のした方向に、ゆっくり顔を向ける。
そこにいたのは、先ほどコンビニで会った、金髪と茶髪の男子2人組だった。
「お前、さっきの!」
金髪の男子が、あたしを指差しながら駆け寄ってきた。