番犬男子




最初の頃と比べると、兄妹らしくなったよね。


記憶を思い出して、お兄ちゃんが兄らしくなったのかな。



兄と妹。

切っても切れないこの絆は、永遠の宝物。




お兄ちゃんの手が下ろされて、あたしはリュックに入れていた長細い箱を取り出した。


リボンにくるまれたその箱を、お兄ちゃんに渡す。



「これ、受け取って」


「俺に?」



いつ渡そうか悩んだけれど、クリスマスプレゼントとしてではなく、今日何の名目もなく渡そうと決めた。


このプレゼントは、一種の誓いのようなものだから。



「開けてもいいか?」



頷けば、お兄ちゃんがリボンに手をかけた。


リボンをほどいて、箱を開ける。



「これは、ネックレス……?」




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