番犬男子
俺の妹と名乗るおかしな女を、たまり場から力づくで追い払った後。
青とオレンジのグラデーションに塗られた空が、厚い雲に覆われた。
ポツポツ、と雨が降り始める。
双雷のメンバーほぼ全員が集うホールで、パトロールの報告会を行った。
報告会といっても、別に堅苦しいものじゃない。
全員帰ってきているか確認したり、何かあったか簡単に教えたりするだけだ。
報告会はすぐに終わって、各々自由に過ごし出す。
いつもなら、みんなは次のパトロール時間まで遊戯室で遊んでいる。
……はずだが。
今日は、遊戯室には行かずに、先ほどの自称妹について興味半分に話していた。
それは、俺を含めた幹部以上が、ホールから2階の幹部室に移動しても変わらない。
相変わらず、自称妹の話題でもちきりだった。