番犬男子
幹部室に置かれてある、3つのソファー。
赤のソファーに、俺。
黒のソファーに、稜。
白のソファーに雪乃と座っていた遊馬が、興奮気味にバンッ、とソファーの前にあるテーブルを叩いた。
「本当にすごかったんだって!!」
遊馬は報告会のときからずっとこの調子だ。
語彙力がないせいか、すごいすごい、ばかり繰り返してる。
他に言うことはねぇのか。
「コンビニの件でしょう?」
「そうそう!あいつ、ほんっとにすごかったんだぜ?」
「はいはい、さっき何度も聞いたわ」
遊馬の熱弁を、雪乃が軽くあしらう。
稜なんか、遊馬のうるさい声が聞こえないようにちゃっかりイヤホンをして、黒のソファーに寝転がってる。