番犬男子
チラリ、と横目にお兄ちゃんを見てみる。
お兄ちゃんは黙々と朝ご飯を食べていた。
お兄ちゃん、今日もかっこいいな。
何をしてても絵になる。
私服もおしゃれとか、反則だよ。
あたしはお兄ちゃんに少しでも良く見られたくて、身だしなみをばっちり整えてきたけど、お兄ちゃんはどうなんだろう。
「お兄ちゃん、これから出かけるの?」
「…………」
「出かけるんでしょ」
「っ!?」
お兄ちゃんが無愛想な表情を少し崩して、あたしに視線を送った。
そりゃわかるよ。
今日も双雷のたまり場に行くんでしょ?
聞く前からたぶんそうかなって思ってた。