番犬男子





「あたしもついていっていい?」


「ダメだ」



また沈黙かと想像していたのに、今回は即座に断られた。


ひどい。



「あたし、お兄ちゃんと一緒にいたいの!どうしてもダメ?」


「俺は一緒にいたくねぇ」



上目遣いでかわいこぶっても、答えは変わらず。


むしろ、さっきより早く、冷たくなっていた気がする。



お兄ちゃんに聞いても、拒否されるのがオチ。


そんなこと、わかってたことじゃん。



こうなったら、仕方ない。



「いいもん。勝手についていく」


「ついてくんなストーカー」


「ストーカーじゃないってば!」




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