7・君を探しに行く
豪がこなくなってから、今日で2週間を迎えた。

「豪くん、どうしたんだろう…?」

昼下がりの工房でひかるは呟くと、息を吐いた。

仕事が忙しいのだろうか?

事故にあってこられなくなったのだろうか?

それとも、
「お節介だって思われちゃったのかな…?」

ひかるは息を吐いた。

借金を一緒に返すと言うことは、彼にとってお節介だったのかも知れない。

もしかしたら、嫌われてしまったかも知れない。

ひかるは両手で隠すようにして目をおおうと、深く息を吐いた。

――また、もしあの頃と同じように自分の前から豪がいなくなってしまったら…今度こそ、自分は立ち直ることができないかも知れない。

チーン

そう思っていたら、ベルが鳴った。

誰かきたみたいだ。
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