肌
「勝手にあなたのことを調べて申し訳ありませんでした」

そう謝った伊崎に、
「それが謝りたいことなんですか？」

ひかるは聞いた。

伊崎は首を横に振ると、
「ここからが本題です」
と、言った。

「同時に、黒田豪さんに父親が残した多額の借金があると言うことを知りました。

僕はそれを利用して、黒田豪さんに近づいて交換条件を出したんです」

「条件って、豪くんに何を言ったんですか！？」

強い口調で聞き返したひかるに、
「僕が借金を全額返済する代わりに、２度とひかるさんに近づくな…と」

伊崎は答えた。

ひかるの目が色を失った状態で、大きく見開かれた。

「どうして…どうして、そんなことをしたんですか？」

呟くように、ひかるは伊崎に聞いた。
< 104 / 115 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop