ひかるは豪の首の後ろに自分の両手を回すと、彼を抱きしめた。

「何もかもから解放されたんだよ…」

ひかるはそう言うと、そっと目を閉じた。

そっと、豪はひかるの背中に自分の両手を回した。

「一緒にいてもいいの…?」

呟くように聞いてきた豪に、
「豪くんだから一緒にいたいの」

ひかるは答えた。

「豪くんが好きだから一緒にいたいの。

豪くんじゃなきゃダメなの」

ひかるは豪の顔を見つめた。

「ひかるちゃん…」

豪は名前を呼ぶと、コツンと額をあわせた。

「俺、すごく嬉しいよ…」

目の前にいるひかるの姿が潤んでいるのは、気のせいだろうか?

「もう会えないと思ってた…」

豪はそこで言葉を区切ると、
「また君に会えて嬉しいよ」
と、言った。
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