「ひかるちゃんとまた会えたうえに、ひかるちゃんと一緒に歩くことができて」

そう言った豪に、ひかるの心臓がドキッ…と鳴った。

「ひかるちゃん、あの頃と変わっていないから一目見た時にすぐにわかったよ」

「えっ、それって私の見た目が小学生のままだってことなの?」

豪ほどではないが自分もあの頃よりも身長は伸びたと思う。

髪型は小学生時代と特に変わっていない黒髪のボブではあるが。

「いや、そう言う意味じゃなくて」

豪は首を横に振って返事をすると、
「面影がある、の意味で言ったんだよ」
と、言った。

「あっ、何だそう言うことか」

ひかるはなるほどと、首を縦に振ってうなずいた。

「また君に会えて嬉しいよ」

微笑んでいるその顔は、あの頃と特に変わっていなかった。
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