「えっ、いいの?」

誘ったのは自分のくせに、豪の返事が意外で思わず聞き返してしまった。

「楽しそうじゃん」

豪は笑顔で返事をした。

その返事に、ひかるは喜びたくなった。

「じゃ…じゃあさ、動物園に行こうよ!

あそこは中学生以下はタダなんだって!

豪くん、動物園に行ったことがないって言ってたじゃん!」

もうほとんど勢いだった。

だけど、当時の自分は好きな人と2人で出かけることがとても嬉しかった。

「うん、いいよ。

楽しみだね!」

そう言った豪に、
「豪くん、約束だよ!

絶対だよ!」

ひかるは小指を豪の前に出した。

「うん、約束」

豪は返事をすると、ひかるの小指に自分の小指を絡めた。

それから、2人で一緒に指切りげんまんをした。

 * * *
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