もし豪がまた自分のところにくることがあったら、たくさん料理を作って迎えてあげよう。

何かガッツリとした食べ物がいいだろうか?

それとも、サッパリとした食べ物がいいだろうか?

少しでもいいから豪の役に立ちたいと思いながら、ひかるは考えていた。

「――パンダ、かわいかったですね」

そう話しかけてきた伊崎に、ひかるはハッと我に返った。

自分は彼と一緒にパンダのところから出てきたところだった。

「あ…はい、そうですね。

ぬいぐるみみたいに、かわいかったですね」

自分でも見たのかどうかすらも怪しいが、彼と話をあわせることにした。

「こ、今度はキリンを見に行きませんか?

私、動物の中ではキリンが好きで…」

さえぎるように、伊崎の顔が近づいてきた。
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