「えっ?」

謝られた理由がわからなくて聞き返したら、
「あの時、約束してたのに一緒に動物園に行くことができなくて」

豪が言った。

「ああ…」

小学6年生の時の出来事かと、ひかるは思った。

「指切りまでして一緒に行こうって言ったのに…なのに、約束を破って」

「もういいの」

そう言ったひかるの顔を豪は見つめた。

「また豪くんに会えたから、いいよ」

「ひかるちゃん…」

「私、嬉しいの。

豪くんと再会できたうえに、こうして一緒にご飯を食べることができて、嬉しいの。

だから、謝らなくていいよ」

豪の目が少しだけ潤んだのがわかった。

「本当に、ごめんね…」

呟くように謝った豪に、
「もういいよ。

だから、早く食べよう?」

ひかるは食事の続きを促した。
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