肌
２７年間の人生の中で、誰かに告白されたことが何度かあった。

だけど、ひかるは彼らからの告白を全て断った。

そんなひかるに友人たちは彼女を男性恐怖症だと思っていたようだったが、本当のところは違っていた。

だから、今回の伊崎の告白も断って逃げようとした。

「なら…」

伊崎はそこで言葉を切ると、
「僕のことを知ってくれませんか？」
と、言った。

「えっ？」

ひかるは何を言われたのかよくわからなかった。

「少しずつでもいいから、僕のことを知ってください」

そう言った伊崎に、ひかるはどうすればいいのかわからなかった。

「ど、どうして私がいいんですか？

伊崎さんでしたら、他にも素敵なお相手がたくさんいらっしゃるじゃないですか。

こんな私なんかを選ぶよりも他の人を選んだ方が…」

ひかるは断ろうとしたが、
「あなたがいいんです」

伊崎は引き下がろうとしなかった。
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