――私、豪くんの役に立ちたいの…

そう言ったひかるの顔が頭の中に浮かんで、それをかき消すようにみそ汁をすすった。

「熱い…」

豪は舌を出して熱を冷ました。

「いいんだよ、これで…」

豪は呟いて、息を吐いた。

「ひかるちゃんを不幸な目にあわせなくて、これでよかったんだ…。

俺は借金を返済することができて、ひかるちゃんは…」

ポロッと、豪の目から涙がこぼれ落ちた。

「――ひかるちゃんは…」

その後に言葉を続けようとするけれど、口に出すことができなかった。

後から後からと頬を伝ってこぼれ落ちる涙に邪魔をされて、言葉を出すことができない。

「――これで、いいんだよ…」

ようやく口に出すことができた言葉は、苦しかった。
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