「僕はひかるさん、あなたのことが好きなんです。

あなたのことが好きだから、結婚を前提に真剣におつきあいをしたいと思っているんです」

気持ちだけは嬉しかった。

「ひかるさん、僕はあなたのことを大切にします。

僕とおつきあいをしてください」

そう言うと、伊崎は深く頭を下げた。

このまま引き下がるつもりはないようだと、ひかるは思った。

「――はい、わかりました」

ひかるが返事をしたことに、伊崎は頭をあげてひかるを見た。

「ありがとうございます」

伊崎はお礼を言うと、下げていた躰を元に戻した。

彼の顔はとても嬉しそうだ。

その嬉しそうな顔に、ひかるは自分の胸が痛くなった。

(自分の気まぐれだったと思って、いつかは私に飽きることがくるよね…)

伊崎を見ながら、ひかるは心の中で呟いた。
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